サッカーと天災が日本人を覚醒させる?!

8月10日に行われたキリンチャレンジカップ「日本 対 韓国」の試合結果は、3対0で日本の快勝に終わったが、日本代表の力量もさることながら、日本にとって幸運な巡り合わせが働いていたことも事実であった。韓国代表は大黒柱のパク・チソンが代表を引退し、中心選手の一人であるイ・チョンヨン(昨年の日韓戦で駒野を骨折させた選手)が試合中に脛の骨を二本折る重傷を負って日韓戦に参加出来ず、試合前から韓国代表のチーム力が大幅に低下していたことである。
2011年のホームでの日韓戦は、故・松田直樹選手の追悼試合となり、喪章を付けた日本選手達の士気は高かった。試合中に遠藤選手の蹴ったボールが偶然、相手DFの顔面に当たり、その選手は交代、結果として韓国のディフェンスラインが綻びを作ることになり、大量失点の一因ともなっている。今回の試合の主審はアジア最高といわれるウズベキスタン人の主審だったが、悪名高きチョン・モンジュンがFIFA副会長に落選したおかげで、日本に不利なおかしなジャッジをするアンフェアな審判が派遣される可能性も激減した。長期的に見れば、これも日本サッカー躍進のための好材料の一つになることは間違いない。
ドーハの悲劇から日本代表を見続けている自分としては、海外開催のW杯ベスト16、アジア大会の男女アベック優勝、女子代表チームのW杯優勝、日韓戦における日本の完勝など、最近の日本サッカーの躍進は、ある意味、神がかり的な出来事のように思える時がある。日本サッカーの躍進が始まったのは2010年の南アフリカW杯での代表チームの活躍からだが、南アフリカW杯でも日本代表には幸運な巡り合わせや偶然が付きまとっていた。
南アフリカW杯の一次リーグでの日本の初戦の相手であったカメルーンは、実はチーム内で内紛が起きていて、半ば分裂状態で実力を全て出し切れるような状態ではなかった。二戦目の相手であるオランダはエースのロッペンが怪我で日本戦には出場しなかった。恐らくロッペンが出場していたら、あと一点か二点取られていたかもしれない。三戦目のデンマーク戦では、長谷部選手が与えたPKを蹴った際、デンマークのエースのトマソンが足を負傷したが、デンマークが既に交代枠を使い切っていたため、後半途中からデンマークは10人で戦っているような状況になっていた。もちろん本田圭佑選手を中心とした日本代表の選手たちのプレーが16強に値したのは確かだが、見えざる“追い風”が吹いていたこともまた確かなのである。
東日本大震災の後ほど、戦後の日本人が国を意識し、助け合いの精神を発揮したことはなかっただろう。そして南アフリカW杯でのサムライブルーの活躍や、なでしこジャパンのW杯優勝が、日本人として誇りと自信を感じさせてくれた。日本サッカーの躍進がアメだとすれば、天災はムチであり、日本人はアメとムチで意識の覚醒を促されているように思える。非自民党出身の極左首相の任期中に、大勢の国民が亡くなる天災が発生するという法則は今のところ鉄板だが、このまま民主党政権が続けば、遠からず再び大地震が起こるかもしれない。大地震が起きなくても、福島第一原発の放射能漏れ事故は未だに収束の目処が立っておらず、多くの人が困窮している。しかし、国難の時に輝きを放つのが日本人。男女のサッカー日本代表が、再び国際大会で活躍する可能性は非常に大きいように思う。
JFA(日本サッカー協会)のシンボルマークは太陽の化身と言われる三本足のカラス、八咫烏(やたがらす)だが、八咫烏は日本神話で、神武東征の際に神武天皇の元に遣わされ、熊野国から大和国への道案内をしたとされる霊鳥である。神武天皇を導いたように、国難に呻吟する日本人をどこへ導こうというのだろうか。
サッカーファンとしては日本代表チームの活躍は喜ばしい限りだが、なにぶん相手があってことなので、あまり過大な期待を抱くのはやめようと思うが、先日の日韓戦を見る限りでは、日本サッカーを後押しする“追い風”は未だに健在のようである。いくら実力があっても運も味方しなければ、オリンピックやW杯で最大限に活躍することは難しい。そういう意味では、なでしこジャパンや男子のサッカー五輪代表、サッカー日本代表に、今後とも良い追い風が、出来るだけ長く吹き続けることを祈らずにはいられない。
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