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日本が好きなだけなんだよ

Date : 2010年04月26日

日本の政治における改革の意味

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先週、枡添参議院議員が新党改革を立ち上げたが、何を改革するのかハッキリしない、あやふやで手抜きかつ安易な新党の命名に恐れ入る。だいたい今時、改革、改革というと、大抵が「改悪」であり、大阪府や宮崎県の有名知事が何かと口にする「地方分権」も改悪の一つである。

選挙民の大部分は、別に地方分権など望んでいない。地方公務員や知事達が、好き勝手に金と権力を使いたくて要求しているに過ぎない。地方に分権しても、総費用が減るどころか逆に増えるのでは、権限の委譲による改革も有名無実と言わざるを得ないだろう。そもそも具体的な費用対効果で地方分権の是非が語られたことがないのが、異常と言わざるを得ない。

国家公務員以上に特権的な地位を享受している地方公務員に、これ以上の特権を与える行為は控えるべきで、「地方分権」どころか、不正や特権の温床となっている地方公務員の給与や採用方法も、将来的には中央が厳密に管理すべきだと思う。明治維新時に幕藩体制を廃止して苦労して中央集権体制にしたのだから、利権目当ての政治家や役人の「改革」の声に惑わされて、わざわざ国家が不安定になるような政策を推進する必要はない。

明治以前は完全な地方分権体制だったが、極言すれば、現在の日本の安定した政治体制を 少しでも幕藩体制に近付けようというのが、地方分権推進の意味するところである。「地方分権」の美名の下、日本解体の下準備を推進していると考えるのは穿った見方だろうか。

新党改革が、具体的に何をどのように改革したいのかは分からないが、現在の小選挙区制というのは、昨年の衆議院選挙の民主党の大勝、自民党の惨敗の結果を見ても分かる通り、勝者総取りに近いサバイバルゲームであり、新党向きの選挙制度ではない。比例代表制度は小選挙区制の欠点を是正するための制度だが、よほど人気のある政党じゃないと議席を取るのは難しい。

ぱっと党名を見て、不安を抱くような党名はあまり選挙戦略上、芳しくないのではないかと思う。その点、「みんなの党」という非常に分かりやすく安心出来そうな党名を付けた渡辺喜美は、政策はあまり期待出来ないが、ネーミングのセンスはあるのだろう。

ここのところあまり改革に良いイメージがないのに、あえて党名に「改革」を付けてしまう新党改革に、早くも限界を感じてしまうのは自分だけだろうか。新党乱立を言われる現在の状況だが、少数弱小政党のまま選挙戦になれば、文字通り泡沫政党として消え失せる可能性もある。新党改革の結成記者会見で日の丸でも掲げていれば、多少印象も良くなったかもしれないが、邪魔だという理由で日の丸を撤去したようなので、まあ、党名、理念共に期待しようがない。

結成当初から理想もなく、打算ばかりが目につく新党ばかりでは食傷気味だが、泡沫政党が政界再編の鍵を握るとは、素人目に見ても考えづらい。民主党が分裂しない限り政界再編など起こりようがないのが現実ではないだろうか。

改革=正義=善という刷り込まれたイメージを払拭しなくてはいけないが、なぜ改善という言葉を使わず改革なのか、そこに落とし穴があるように思える。GHQの施した占領政策にも、農地改革、教育改革など、よく改革という言葉が使われているが、戦後60年以上経って振り返れば、結果的には改悪されたものが大部分である。小泉政権時代の構造改革や郵政改革も、アメリカの年次改革要望書に従っているだけで、大部分が改悪だった。

鳩山政権の政策は改革を超えて自爆であり、国家の自殺に近い政策がほとんどだが、鳩山首相があまり改革という言葉を使わないのは、自分で国家を破壊している自覚があるからだろう。

改悪レベルなら、まだ元に戻せるが、一度壊れたり死んだりしたものは元には戻らない。小泉政権時代も批判は多いが、現在の鳩山政権よりははるかにマシだったことは確かである。結局、改悪を避けようとして選んだ選択肢が自滅だったという、笑えない政治ストーリーになってしまった。

民主党政権の登場で、政治上のタブーが全部破られ、何を言っても何をしても議員を辞めないことが慣例になってしまったが、これもある意味、改革だ。民主党とマスコミによって、なんとか還元水の問題で自殺に追い込まれた故・松岡利勝農相が、どれだけ潔癖だったか、今となっては故人の冥福を祈るだけである。

民主党の小沢幹事長の肝煎りで、国会改革法案の成立が画策されているが、独裁的な人間ほど、自分の意思を強引に通す時によく改革という言葉を使いたがるようだ。国会改革法案というのは、政党が官僚の影響力を排して勝手に国会運営を出来る法律であり、簡単に言うと小沢一郎の国会における独裁権を確立する法律である。メリットとデメリットをろくに説明もせず、改革を連呼するような人間は注意しなければいけない。

本当に事態を改善したいと思う人間は、改革などという言葉は安易に使わない。改善と名打って良くならなければ嘘つき呼ばわりされるが、改革と名打って良くならなくても嘘つき呼ばわりはされないのである。

それを承知で改善と言わずに改革と言うような無責任な人間を 無条件に信じるのは愚の骨頂といわざるを得ないだろう。改革というのは勝手に変更したり再編したりするけど、後の責任は取りませんよ、というのと同じ意味であり、得意満面でろくな説明もなしに改革云々言う人間は、大体、詐欺師と同じ部類の人間だと個人的には考えている。新党改革のことを侮辱する気はないが、まあ、政党についても議員についても、推して知るべしといったところだろうか。


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