捕鯨問題とオーストラリアの歴史

オーストラリア上院で日本の捕鯨と暴力行為に対する非難声明が通過 シーシェパード公式HP
http://www.seashepherd.org/news-and-media/sea-shepherd-news.html

オーストラリア上院で日本の捕鯨と暴力行為に対する非難声明が通過しました。これにシーシェパードは感動し、大きな拍手を送ります。シーシェパードはこの非難運動を始めた緑の党の上院議員レイチェル・シーワート氏に非常に感謝しています。
1、2008年11月25日、オーストラリア政府は日本に対し、「2008年12月8日までに捕鯨を止めないなら国際法廷に場を移す。」と通告しました。一方の日本はこの通告を無視して捕鯨を続けています。
だが、今現在において豪政府は訴訟の準備をしていない。 私は豪政府に対し、日本を国際法廷に訴えるよう促したい。
2、IWCの提案については拒否するべきだ。何故ならIWCは日本の捕鯨を合法化しようとているだから。そして政府はなぜ、違法な日本の捕鯨を止めるために国際法廷に訴えないのか説明するべきである。
3、音響兵器の使用や金属弾の投てき等、環境保護活動家に対して行う日本の暴力行為を非難する。
一方、ラドウィグ上院議員は言います。
「いわゆる調査捕鯨(商業捕鯨)に関するオーストラリア政府の方針は明確です。 我々はIWCを含めた高度な外交的努力によってこの問題に対処していくべきです。ですが我々は国際法廷という手段も考慮し続けます。」
映画『オーストラリア』 絶賛上映中

歴史的な事実とは程遠い、白人賛美映画の『オーストラリア』。アボリジニーをクロ〇ボ呼ばわりする謎の日本兵が登場する反日映画でもある。凄惨な歴史を生き残ったアボリジニー達が見たら怒り出すに違いないプロパガンダ映画の傑作だ。
オーストラリアの歴史
オーストラリアにキャプテンクック(1728~79)が到来したのは、1770年であった。当時この大陸には原住民としてアボリジニーが約30万人も平和に暮らしていた。彼らは4万年も前に東南アジアからこの大陸に移住してきたものである。クックは上陸するや原住民を無視して一方的に英領を宣言した。まず、おれのものと、ツバをつける白人のやり方である。
英国は1788年、11隻の船隊に流刑囚1473名を乗せて、シドニーに近いボタニー湾に現れた。男囚778名、女囚192名、その他という構成だ。本国の犯罪人を植民地に流刑したのはイギリスだけでなく、ロシアのシベリア流刑は有名だし、フランスもパリ・コミューンの政治犯を多数、ニューカレドニアへ送っている。
受け入れ側の先住民にとって、男女囚の比率が四対一のアンバランスなことは大変迷惑であった。最初に被害を被ったのはアボリジニーの女性である。男囚の性欲を満たすための現地調達が行われたからだ。オーストラリアは流刑植民地だから、続いてきた一般植民者も本国に容れられない落ちこぼれ、ならず者、無法者が多かった。これら白人にとって現地のアボリジニーは野獣、野犬やねずみと同様、考慮に値しない存在として虐殺が始まった。動物狩りの対象としてアボリジニー狩りを楽しんだのである。
かくして最初の船隊が来てから約100年後の1901年には、先住民は6万7千人に激減してしまった。オーストラリアの南端にあるタスマニア島のアボリジニーは、もっとひどく、全滅させられてしまった。
タスマニア島は四国と九州を合わせたくらいの広さで、緑に恵まれた島である。住民はオーストラリアから移り住んだアボリジニーで、平和に暮らしていた。後からやってきた白人植民者に先住民は邪魔とばかり、見つけしだいに射殺された。当初3万7000人いたアボリジニーは、1847年にはたった44人になった。
絶滅寸前のこの人種の中で、最後の一人となったトルガニーニという女性の数奇な運命は、感動的である。最後の1人となったとき、オーストラリア政府は、最後のタスマニアン・アボリジニーとして人類学上の貴重な資料として保護することになったからだ。佐渡のトキのような運命である。
1876年、トルガニーニは「山の奥に私を埋めて」と言い遺して苦難の生涯を終えた。遺体は遺言どおり山奥に埋められたが、やがて無法者の白人が墓をあばき、遺体をバラバラにして持ち去った。彼女の骨は考古学上の珍品として高価な値がつき、蒐集家の手に渡り博物館にまで陳列された。やがてトルガニーニの骨が取り戻され、正式な荼毘に付され、その灰ががタスマニアの海にまかれたのは、彼女の死後100年たった1976年のことであった。
『侵略の世界史』 祥伝社 清水馨八郎 P179~P181
(コメント)
オーストラリアの白人がアボリジニーをハンティングで虐殺した歴史を顧みれば、オーストラリアが捕鯨やシーシェパードの問題で道義的に日本を非難する資格は一ミリグラムもないはずなのだが、オーストラリア人にはそこのところが未だに理解出来ないようだ。牛肉かじって鉄鋼石でも採掘してれば無害なものを もともと乏しい正義やら道徳などを持ち出して反日に加担するからボロが出る。つまらないプロパガンダ映画や恥ずかしい捕鯨非難声明を世界に垂れ流すより先に、オーストラリア政府によるアボリジニーへの誠心誠意の謝罪と賠償の方が急務なのではないだろうか?
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